職場や日常で「自己肯定感が低い…」と感じたことはありませんか?実は、私自身も他人自分を比べ、なかなか前向きになれない時期がありました。
でも、心の専門家として多く方々をサポートしてきた経験から、自己肯定感は少しずつ高めていけるものだと実感しています。
この記事では、【誰でもできる】簡単な方法をご紹介し、今日からあなたが変われるステップをお伝えします。
自己肯定感とは何か
自己肯定感が低い人の特徴やその原因
自己肯定感の具体的な高め方
自己肯定感とは
最近よく耳にする『自己肯定感』という言葉。実際にはどんな意味を持ち、私たちの生活にどのような影響を与えるのでしょうか?自己肯定感とは、簡単に言うと「ありのままの自分を受け入れる感覚」のことです。
人より優れているから自分に価値があると思うのではなく、自分の短所も含めて「これが自分だ」と認めることを意味します。
例えば、いつもポジティブで明るく見える人でも、時にはネガティブな感情を抱くことがあります。自己肯定感が高い人は、そのネガティブな感情も「自分の一部」として受け入れ、無理に否定したり責めたりしません。
大切なのは、自分をありのままに受け入れ、他人と比べたり「どうしてこうなんだろう」と自分を責めることなく生きていくことです。
自分を信頼する感覚、つまり『自分にはできる!』という自信も自己肯定感の一部です。ただし、これは『自己効力感』と呼ばれ、新しい挑戦への自信を意味します。たとえ失敗しても、自分を責めずに前向きな姿勢を保つことが、自己肯定感が高い人の特徴です。
自己肯定感を高めることは、自分を大切にし、より充実した生活を送るために大切なステップです。 次に、もう少し理解を深めるために、自己肯定感が低い人の特徴について見ていきましょう。
自己肯定感が低い人の特徴
次の項目に当てはまることが多いと感じたら、あなたも自己肯定感が低くなっているかもしれません。一度チェックしてみましょう。
他人と比べて自己評価を下げてしまう
他人と自分を比べてしまうことはよくあります。周りから好かれている人や、職場で成果をあげている人を見ると、自分自身の価値を低く感じてしまいがちです。
この結果、羨ましさが嫉妬心に変わり、相手を否定してしまったり、頼まれてもいないのに自分の功績を自慢してしまうこともあります。
他人からの評価を過度に気にしてしまう
誰かに常に見られていると感じたり、自分の言動がどう評価されているのかを過度に気にしてしまいます。
例えば、会話が止まると『自分がつまらないからだ』と思い込んでしまい、なんとかその沈黙を埋めようと焦ってしまうこともあります。また、誰かが自分に好意的に接してくれていても『本当にそうだろうか?』と疑い、本来の自分ではなく、他人の期待に応えようとして偽りの自分を演じてしまうこともあります。
否定的なセルフトーク
心の中で「自分なんてダメだ」と言い聞かせるようなセルフトークをしてしまうことがあります。それが自分自身の声でない場合も、過去の誰かの批判的な言葉が頭に浮かび、それを現実のように感じてしまうのです。
『あの人はきっと怒っている』『陰で自分をバカにしているに違いない』など、現実ではないことを妄想してしまうこともあります。これらのネガティブなセルフトークは、自己肯定感をさらに低下させてしまいます。
では、どうしてこうした特徴が現れてしまうのでしょうか?実は、自己肯定感が低くなる原因には、環境や習慣が大きく影響しています。次に、その原因を詳しく見ていきましょう。
なぜ自己肯定感が低くなるのか?
自己肯定感が低くなってしまう原因には、いくつかの要素が関係しています。ここでは、特に大きな要因となる『幼少期の経験』や『環境の影響』について解説していきます。
幼少期の経験
私たちは、生後9ヶ月頃から周りの人の表情や反応を参考にして、自分の行動を判断し始めます。これは「社会的参照」と呼ばれ、親や身近な大人から行動の基準を学んでいきます。子どもは、甘えを受け入れてもらい、思いや考えを尊重されることで、自己肯定感をしっかりと育てていきます。
一方で、幼少期に適切に扱われず、自分の意志や自立心を尊重されなかった場合、自己否定の感覚が心の奥に根付いてしまいます。例えば、親が子どもの意思を抑え込み、自分の理想を押し付けてしまうと、子どもは「自分の判断ではなく、周りの反応で自分の価値が決まる」と学んでしまうのです。
『よく聞き分けの良かった子が、どうして問題を起こすようになったの?』と疑問に思うことがありますが、こうした親子関係が影響していることが多いのです。
環境要因
私たち日本人は、「人に迷惑をかけてはいけない」という考え方に慣れ親しんでいます。これは、他者への配慮を重んじる日本独自の文化でもあります。でも、誰にも迷惑をかけずに生きるのは、実はとても難しいことですよね。
もちろん、思いやりを持って他人を大切にすることは素晴らしいことです。しかし、他人からどう思われるかを気にしすぎてしまうと、自分自身の考えや価値判断を見失ってしまうこともあります。
子どもは特に、学校生活や周りの大人からの影響を受けやすく、『自分らしさ』を否定されるような経験をすると、その傷は大人になっても残り、自己肯定感に影響を与えることが少なくありません。
そのため、たとえその時の記憶が薄れてしまっても、過去の体験が無意識に影響を与え、似たような状況を避けようとするようになります。
さらに、幼少期の経験や周りの環境だけでなく、日常生活の中でつい身につけてしまう「習慣」も自己肯定感に影響しています。次に、無意識に『自己肯定感を低くしてしまう習慣』について、もう少し深く探っていきましょう。
自己肯定感を低くする習慣
日常の中で無意識にしている行動が、実は自己肯定感を下げていることがあります。あなたも、次の習慣に当てはまることがないか、一度確認してみてください。これに気づくだけで、少しずつ自己肯定感を高めるためのステップを踏み出せるかもしれません。
・完璧を求めること
・他人を評価すること
・自分で決めないこと
完璧を求めること
例えば、仕事で常に最高の成果を出そうとするあまり、少しでもミスがあると自分を責めてしまったりしませんか?『もっと頑張らなければ』『この程度ではダメだ』という思いが強すぎると、完璧でない自分を否定してしまうことがあります。
このような『〜すべき』という思い込みは、達成できなかった時に大きなプレッシャーとなり、自分を追い込んでしまいます。失敗を恐れて新しいことに挑戦できなくなったり、他人に頼ることは自分の弱さだと思い込んでしまうことも少なくありません。
他人を評価すること
たとえば、友人や同僚がミスをしたとき、『あの人はいつもこうだ』と思ってしまうことはありませんか?一見、相手に向けた評価や批判に見えますが、実はそれが自分にも影響を与えているのです。
私たちの脳は、他人に向けた否定的な言葉を自分への言葉としても認識します。つまり、他人を評価したり批判すると、自分も同じようにダメな人だと感じやすくなるのです。そのため結果的に、自己肯定感が下がってしまうのです。
自分で決めないこと
例えば、友達とランチに行く際、いつも相手にお店を決めてもらったり、誰かに意見を聞かないと決断できないことはありませんか?自分の意見に自信が持てず、周りに頼りがちになってしまうと、次第に『自分の判断では物事をうまく進められない』という感覚が強くなります。
他人の意見を尊重することは大事ですが、そればかりだと自分自身の直感や判断を信じられなくなり、自己肯定感を低くしてしまいます。時には自分の意見に耳を傾け、それを尊重することも必要です。
これまでご紹介した習慣に気づいたら、それだけでも自己肯定感を高めるための第一歩です。しかし、さらに自分をポジティブに変えていくためには、具体的な方法を知ることが大切です。次に、『自己肯定感を高めるための実践的な方法』をいくつかご紹介します。
自己肯定感を高める具体的な方法
ここまでで、自己肯定感の重要性について少しずつ理解が深まったかもしれません。それでは、次に、具体的にどうすれば自己肯定感を高められるのか?ここでは、日常生活で実践できるシンプルで効果的な方法を厳選して3つご紹介します。
方法① 自分の感情に素直に向き合う
人は、不安や怒りを感じると、その感情に圧倒されてしまうことがあります。しかし、その感情の裏には、もっと深い本音が隠れていることが多いのです。
例えば、相手に否定されたと感じる場面では、実は『あの人に誤解されたくない』『大切に思ってほしい』という気持ちが潜んでいることがあります。
心理学者マズローの『欲求階層説』によると、人間には生理的欲求や承認欲求などの段階的な欲求があります。
自己肯定感は、これらの欲求が満たされることで高まるとされています。自分の感情に向き合い、どの欲求が満たされていないのかを考えることも、自己理解を深める一つの方法です。
方法② 肯定的な言葉を口にする
例えば、誰かに『素敵だね』と褒められた時、つい『そんなことないですよ』と返してしまうことはありませんか?これは、謙遜の文化が根付いているためですが、自分の価値を無意識に否定してしまっている瞬間でもあります。
そんな時は、シンプルに『ありがとうございます』とお礼を言う練習をしてみましょう。肯定的な言葉を受け入れることが、自己肯定感を高める第一歩です。
方法③ 課題を分ける
例えば、趣味の話をしている時に、相手から「それ、変わってるね」と言われたとします。この言葉をどう受け取るかは自分次第です。『否定された』と感じて落ち込むこともありますが、それは自分の捉え方の問題です。
一方で、相手がそう感じること自体は自分のコントロール範囲外です。大切なのは、自分でコントロールできる部分、つまり『自分の捉え方』に焦点を当てることです。相手の反応は相手の課題として任せることで、無駄なストレスから解放されるというのが『課題を分ける』という意味です。
まとめ
ここまで、自己肯定感を高めるためのさまざまな方法についてお伝えしてきました。
自分の感情に素直に向き合うこと、肯定的な言葉を使うこと、そして課題を分けることなど、日常生活で簡単に取り入れられるステップを実践するだけで、少しずつ自己肯定感を高めることができます。
自己肯定感は、幼少期の経験や環境によって大きく影響を受けるものですが、否定的な習慣を見直し、ポジティブな行動を積み重ねることで、根本的な原因を解消していくことが可能です。
小さな一歩を積み重ねることで、人生がより前向きで充実したものに変わっていくでしょう。 あなたも、今日から少しずつ自己肯定感を高めるための行動を始めてみてください。
自分には生きる価値があり、誰もが素晴らしい人生を歩む権利を持っています。自分を信じて、ポジティブな変化を実現していきましょう。